人間関係の軋轢が苦しいときに

絶対正しいことは存在するのか

世間一般で、確実に「正しい」と思われていること、「悪い」と思われていること。
たとえば人を殺害することなどは絶対的に「悪いこと」として認められています。
しかし、一般的に正しいと思われていることでも、時と場合によって「正しい」選択でない場合があります。
たとえば、「人を助けること」が正しいのか、悪いのかなどは「正しい」と思いますか？
一般的に「人を助けること」は正しいことが多いです。
人に守られている立場である時などは、圧倒的にそう感じることが多いのではないでしょうか。
ですが、人を守り、育てる立場になったときに、助けがすべて正しいことではないことに気がつく人は多いです。
「助けること」が、その人の成長を阻む原因となったり、甘えの原因になる場合もあるからです。
「助けてもらう人」にとって、「助けてくれない人」の態度は、マイナスにとれるかもしれません。
ですが、「助ける立場の人」にとっては、それが相手にとって一番ためになる、と感じているのです。
つまり「あなたの正義が正しいと思っていること」、これがいつでも正しいとは限りらない、ということを忘れてはいけません。
しかし、この自分にとって「正しいこと」が、相手に否定されたりすると、心に傷が生まれます。
それが少しずつ重なり、人間関係の軋轢に悩む人もいると思います。
人間関係の軋轢は極度にストレスを生むものですから、それで人生に疲れてしまう人もいるでしょう。

「正しい」は誰にでも「正しい」わけではない

「殺人は、OKだと思う」という人が容認されると、人間世界の秩序が保たれません。
ですから、人間は、安定した守るために、決め事をしています。
それが、たとえば「法律」という形で、明確に示され、「守ること」を遵守させられています。
ですが、たいていのものごとの「正しい」「正しくない」の判断は、個人個人が自分の心の中で、決めていることがほとんどです。
大多数の人が「正しい」と感じることも、すべての人にとって「正しい」と感じるわけでもありません。
生き方が違えば考え方も異なりますし、立場も違えば感じ方も変わります。
さらに、いってしまえば相手の気持ちしだいで、それは「可」であったり「不可」であったりすることも稀です。
あなたの態度が控えめであっても、強気であっても、それが相手にとって気に入らなければ、相手はあなたの態度を非難するでしょう。

交差しない考え方は、なかなか交わりにくいものです。
どうしても考え方を交差したい場合は、自分が相手の気持ちに同調するのが一番簡単です。
人の気持ちを変えることは自分の気持ちを変えることの何十倍も骨が折れることであるためです。
でも、相手の気持ちにどうしても同調できない、相手が自分の同調の気持ちを理解してくれないとき…どうしたらいいのでしょう？

相手に自分の意見を正しく伝える必要があります。
このときに注意しなければいけないことがあります。
それは、自分が正しいと思っているのであれば、相手が自分を責める態度を取っても怒らないことです。
これは、何に対しても自分が我慢しなければいけない、といっているのではありません。
冷静に物事を判断するために、頭を冷やすこと、熱くならないことが一番重要だからなのです。
ですので、ここで大切なのは、自分の考えを否定したり、卑下しないこと。
自分が正しいことがなぜ相手にとって正しくないのか。
相手の言っていることの何が自分は正しくないと感じているのか。
自分の立場・相手の立場も考慮して、考えてみましょう。
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